こんにちは、はるです。
今回は土地家屋調査士試験で毎年必ず出題される筆界点間距離(辺長)について、複素数計算による解き方を解説します。
最後まで読んでいただければ筆界点間距離(辺長)を素早く、正確に解けるようになります。
筆界点間距離(辺長)を求める電卓操作は簡単ですので是非マスターしてください。
ではさっそく見ていきましょう~。
関数電卓を用意する(CASIOカシオ 関数電卓 FX-JP500-N 又は、FX-JP900-N)
まずは関数電卓(カシオFX-JP500-N 又は、FX-JP900-N)をお手元にご用意ください。
まだ関数電卓をお持ちでない方は以下を参考にしてください。
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複素数計算モードの設定は以下を参考にしてください。
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関数電卓は複素数計算モードにし、ONの状態で以降の電卓操作をしてください。
複素数計算で2点間距離を求めてみましょう
まずは基本として2点間距離を求めてみましょう。
上のようなAB間の2点間距離を求めます。
つまり、点Aから点Bまでの直線距離を求めます。
①A(3,5)とB(7,8)の2つの座標を関数電卓に記憶する
まず、A(3,5)の座標を「A」に記憶させます。
電卓操作 3 + 5 ENG(i) STO (-)「A」 |
表示画面 3+5i→A 3
|
同様に、B(7,8)の座標を「B」に記憶させます。
電卓操作 7 + 8 ENG(i) STO ° ′ ″「B」 |
表示画面 7+8i→B 7 |
これで関数電卓の「A」、「B」に記憶が完了しました。
②AB間の距離を求めます。
2つの点の直線距離を求めるためには関数電卓の Abs を使います。
参考
「Abs」は「Absolute value」の略で「絶対値」を意味します。
「Abs」は2点間距離を求める時に使うと覚えておいてください。
では、実際にAB間の距離を求めます。
電卓操作 SHIFT ( SHIFT STO(RECALL) (-)「A」 - SHIFT STO(RECALL) ° ′ ″「B」 = |
表示画面 Abs(A-B 5 |
このように解答は「5」となるはずです。
つまり、点Aと点Bを結ぶ直線の距離は「5」と分かりました。
ちなみに、Abs(A-B)のように「)」をわざわざ入力する必要はありません。
ここまでの関数電卓の操作で気づいている方もいるかと思いますが、もっと早い入力方法がありますので紹介します。
関数電卓の基本操作
黄色く書かれた機能を使いたい場合は先に黄色で書かれたSHIFTを入力します。
赤く書かれた機能を使いたい場合は先に赤く書かれたALPHAを入力します。
例えば、Absの機能を使いたい場合は先にSHIFTを入力していましたよね。
同様に赤く書かれた「A」を使いたい場合は先にALPHAを入力します。
これを使うと先程の電卓操作が少し早くなります。
電卓操作 SHIFT ( ALPHA (-)「A」 - ALPHA ° ′ ″「B」 = |
表示画面 Abs(A-B 5 |
いかがでしょうか。
2つの入力を省略できましたね。
こちらの方法もぜひマスターしてくださいね。
ちなみに「RECALL」の機能は有効活用すべきです。
記憶している数値が一覧で表示さるので便利です。ただし、フル桁で表示されていないことには注意です。
フル桁を確認したい場合はその記憶した数値を表示すれば確認できます。
2点間距離のポイント
Abs(A-B)はAB間の距離を表す
Abs(B-A)も同様にAB間の距離を表し、AとBの順番は関係ない
「Abs(A-B)」と「Abs(B-A)」は結果が同じになります。
計算して確認してみてくださいね。
実践的な筆界点間距離(辺長)の求め方
では、最後に本試験で役立つ時間短縮テクニックを紹介します。
ぜひマスターしてくださいね。
リプレイ機能を使いこなそう
関数電卓には → 又は ← を入力することで直前に行った計算式を再利用したり、編集できる機能があります。
この機能のことをリプレイ機能と言います。
リプレイ機能を使うことで筆界点間距離(辺長)をより素早く、正確に求めることができます。
以下で具体的に解説します。
令和2年の土地の問題で具体的な求め方を解説します
まず、各点の座標を関数電卓に記憶させます
関数電卓には「H」や「G」がないので適当に「H」→「C」、「G」→「D」に置き換えて記憶します。
まずはA点、B点、C点、D点、E点、F点、G点をそれぞれ関数電卓に記憶させます。
次に、工夫をして筆界点間距離(辺長)を求めます
「AC間」、「CF間」、・・・の距離を1つ1つAbs(A-C)、Abs(C-F)などと計算しても良いですが、もっと早い方法があります。
リプレイ機能を使い、直前の計算式を再利用、編集していきます。
リプレイ機能を使うことを考え、「C」を基点にしてみましょう。
「C」を基点にすると「CA間」、「CD間」、「CB間」の距離がすぐに求まります。
具体的に見ていきましょう。
CA間の距離を求める
電卓操作 SHIFT ( ALPHA x-1「C」 - ALPHA (-)「A」 = |
表示画面 Abs(C-A 9.277240969 |
CA間の距離は「9.277240969」、問題文より小数点以下第3位を四捨五入すると「9.28」です。
次に、この結果とリプレイ機能を利用して「CD間」の距離を求める方法は以下となります。
電卓操作 ← DEL ALPHA sin「D」 = |
表示画面 Abs(C-D 12.72792206 |
CD間の距離は「12.72792206」、問題文より小数点以下第3位を四捨五入すると「12.73」です。
いかがでしょうか。
CD間の距離が簡単に早く求まりましたよね。
工夫して基点を選ぶ
「工夫」というのは点(基点)と隣の点を結ぶ直線をリプレイ機能で求めるために基点をどう選ぶかということです
同様に「CB間」を求めてみましょう。
今の結果を使います。
電卓操作 ← DEL ALPHA ° ′ ″「B」 = |
表示画面 Abs(C-B 2.602152955 |
CB間の距離は「2.602152955」、問題文より小数点以下第3位を四捨五入すると「2.60」です。
簡単に素早く「CA間」、「CD間」、「CB間」が求まりましたね。
残りは「AF間」、「FD間」、「DE間」、「BE間」の距離ですね。
同じように工夫して求めていきましょう。
次は「F」を基点にしてみましょう。
「F」を基点にして、「AF間」、「FD間」の距離を求めます。
「AF間」の距離を求める
電卓操作 SHIFT ( ALPHA tan「F」 - ALPHA (-)「A」 = |
表示画面 Abs(F-A 12.83140678 |
AF間の距離は「12.83140678」、問題文より小数点以下第3位を四捨五入すると「12.83」です。
今の結果を利用して「FD間」の距離を求めます。
電卓操作 ← DEL ALPHA sin「D」 = |
表示画面 Abs(F-D 7.650895372 |
FD間の距離は「7.650895372」、問題文より小数点以下第3位を四捨五入すると「7.65」です。
最後に「E」を基点にします。
「BE間」、「ED間」を求めていきます。
「BE間」の距離を求める
電卓操作 SHIFT ( ALPHA cos「E」 - ALPHA ° ′ ″「B」 = |
表示画面 Abs(E-B 12.72792206 |
BE間の距離は「12.72792206」、問題文より小数点以下第3位を四捨五入すると「12.73」です。
今の結果を利用して「ED間」の距離を求めます。
電卓操作 ← DEL ALPHA sin「D」 = |
表示画面 Abs(E-D 2.602152955 |
ED間の距離は「2.602152955」、問題文より小数点以下第3位を四捨五入すると「2.60」です。
これで筆界点間距離(辺長)の複素数計算は完成です。
何度か練習すれば簡単にマスターできると思いますので、しっかりマスターしてくださいね。
参考
「AB間」の距離と「BA間」の距離は同じことです
Abs(B-A)とAbs(A-B)が同じことと同様です
まとめ
2点間距離のポイント
Abs(A-B)はAB間の距離を表す
Abs(B-A)も同様にAB間の距離を表し、AとBの順番は関係ない
筆界間距離(辺長)を求める工夫
リプレイ機能を使い、直前の計算式を再利用・編集して入力を省略し時間短縮する
筆界点間距離(辺長)は毎年必ず出題されます。
複素数計算では通常計算と比べ非常に早く正確に求めることができると実感していただいたと思います。
ぜひ練習を繰り返し試験に役立ててください。
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