こんにちは、はるです。
今回は土地家屋調査士試験で毎年必ず出題される土地の面積計算(求積)について、複素数計算による解き方を解説します。
最後まで読んでいただければ面積計算を素早く、正確に解けるようになります。
最後にはで四角形の面積を求める際の裏技も紹介しています。
土地の面積計算(求積)を求める電卓操作は簡単ですので是非マスターしてください。
ではさっそく見ていきましょう~。
関数電卓を用意する(CASIOカシオ 関数電卓 FX-JP500-N 又は、FX-JP900-N)
まずは関数電卓(カシオFX-JP500-N 又は、FX-JP900-N)をお手元にご用意ください。
まだ関数電卓をお持ちでない方は以下を参考にしてください。
-
おすすめ関数電卓はコレだ!【土地家屋調査士試験】
こんにちは、土地家屋調査士のはるです。 今回は土地家屋調査士試験で必須の関数電卓で、実務でも使えるおすすめ関数電卓を紹介します。 私は実務でも関数電卓を使用していますので合格後も長く使うことができ ...
続きを見る
複素数計算モードに設定する
複素数計算モードの設定は以下を参考にしてください。
-
【土地家屋調査士試験】複素数計算の基本設定はこうする【関数電卓】
こんにちは、はるです。 今回は土地家屋調査士試験で必須の複素数計算について、最初の基本設定を誰にでも分かるように解説していきます。 最後まで読んでいただければ複素数計算の最 ...
続きを見る
関数電卓は複素数計算モードにし、ONの状態で以降の電卓操作をしてください。
複素数計算で土地の面積を求めてみましょう
上のようなABCDで囲まれた面積を求めます。
複素数計算では簡単に正確に面積を求めることができます。
まずはA点からD点までの座標を関数電卓に記憶させます。
座標の記録方法が分からい方はこちらで解説しています。
-
【土地家屋調査士試験】複素数計算で解く筆界点間距離(辺長)【関数電卓】
こんにちは、はるです。 今回は土地家屋調査士試験で毎年必ず出題される筆界点間距離(辺長)について、複素数計算による解き方を解説します。 最後まで読んでいただければ筆界点間距 ...
続きを見る
今回は座標の記憶を省略します。
複素数による面積計算はConjg(共役複素数)を使う
まずは結論
ABCDで囲まれた面積の求め方
複素数による面積計算
Step① : Conjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg(C)D+Conjg(D)A=
Step② : (Step①の答え)÷2=
Step③ : (Step②の答え:〇+△i)の△が面積になる
「Conjg」は「Conjugate complex number(共役複素数)」を意味します。
名称や数学的な意味は知らなくても全く問題なしです。
Conjg関数の呼び出し方
電卓操作 OPTN |
表示画面 1 : 偏角 2 : 共役複素数 3 : 実部抽出 4 : 虚部抽出 |
電卓操作 2(共役複素数) |
表示画面 Conjg( |
では、具体的に電卓操作を見ていきます。
A点からD点までの座標を関数電卓に記憶させている状態とします。
電卓操作 OPTN |
表示画面 1 : 偏角 2 : 共役複素数 3 : 実部抽出 4 : 虚部抽出 |
電卓操作 2「共役複素数」 |
表示画面 Conjg( |
電卓操作 ALPHA (-)「A」 ) ALPHA ° ′ ″「B」 + |
表示画面 Conjg(A)B+ |
電卓操作 OPTN 2「共役複素数」 |
表示画面 Conjg(A)B+Conjg( |
電卓操作 ALPHA ° ′ ″「B」 ) ALPHA x-1「C」 + |
表示画面 Conjg(A)B+Conjg(B)C+ |
電卓操作 OPTN 2「共役複素数」 |
表示画面 Conjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg( |
電卓操作 ALPHA x-1「C」 ) ALPHA sin「D」 + |
表示画面 Conjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg(C)D+ |
電卓操作 OPTN 2「共役複素数」 |
表示画面 Conjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg(C)D+Conjg( |
電卓操作 ALPHA sin「D」 ) ALPHA (-)「A」 = |
表示画面 Conjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg(C)D+Conjg(D)A ● |
電卓操作 ÷ 2 = |
表示画面 Ans÷2 〇 |
よって、△が面積となります。
ここで、計算式の立て方を解説します。
Conjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg(C)D+Conjg(D)A
① 「A」を基点とすると、A(基点)→B→C→D→A(基点)のようにぐるっと時計回りの一周を考えます。
② Conjg(A)Bが1つの固まりと考え、順番にConjg(B)C→Conjg(C)D→Conjg(D)Aとしてそれぞれを足していきます。
つまり、(A)B→(B)C→(C)D→(D)Aと順々に一周するまで点名を順番に変えていきます。
注意 : 基点はどこを選んでも大丈夫です。また、(A)のように()を忘れないように。
いかがだったでしょうか。
通常計算と比べると電卓操作が少なく、時間も早いことが実感してもらえたかと思います。
令和2年の問題で土地の面積を求めてみましょう
(イ)の面積を求めてみましょう。
まずは点A、点H、点G、点Fの座標を記録してください。
点HはCに、点GはDに記憶してください。
では、面積を求めます。
ここでは点Aを基点にしてみます。
目標の計算式は「Conjg(A)C+Conjg(C)D+Conjg(D)F+Conjg(F)A」ですね。
電卓操作 OPTN |
表示画面 1 : 偏角 2 : 共役複素数 3 : 実部抽出 4 : 虚部抽出 |
電卓操作 2「共役複素数」 |
表示画面 Conjg( |
電卓操作 ALPHA (-)「A」 ) ALPHA x-1「C」 + |
表示画面 Conjg(A)C+ |
電卓操作 OPTN 2「共役複素数」 |
表示画面 Conjg(A)C+Conjg( |
電卓操作 ALPHA x-1「C」 ) ALPHA sin「D」 + |
表示画面 Conjg(A)C+Conjg(C)D+ |
電卓操作 OPTN 2「共役複素数」 |
表示画面 Conjg(A)C+Conjg(C)D+Conjg( |
電卓操作 ALPHA sin「D」 ) ALPHA tan「F」 + |
表示画面 Conjg(A)C+Conjg(C)D+Conjg(D)F+ |
電卓操作 OPTN 2「共役複素数」 |
表示画面 Conjg(A)C+Conjg(C)D+Conjg(D)F+Conjg( |
電卓操作 ALPHA tan「F」 ) ALPHA (-)「A」 = |
表示画面 Conjg(A)C+Conjg(C)D+Conjg(D)F+Conjg(F)A 1109.8988 |
電卓操作 ÷ 2 = |
表示画面 Ans÷2 554.9494 |
よって、(イ)の面積は107.73㎡と分かりました。
どうでしょうか、簡単ですよね?
最後に、
求める面積の図形が四角形の時にもっと簡単な求め方を裏技として紹介しますね。
四角形の面積を求める裏技
四角形というのは「4本の直線で囲まれた図形」です。
複素数による四角形の面積計算
四角形ABCDの面積
Step① : Conjg(A-C)(B-D)=
Step② : (Step①の答え)÷2=
Step③ : (Step②の答え:〇+△i)の△が面積になる
(A-C)(B-D)のところは「たすきがけ」のように計算します。
四角形の面積はこのように簡単な計算式で四角形の面積を求めることができます。
ちなみに、Conjg(A-C)(D-B)のように引く順番が変わっても全く問題ありません。
その際は答えに「-」符号がつきます。
「-」符号をとれば正しい面積になります。
では、令和2の問題でも確認してみましょう。
(イ)は四角形なので上の裏技が使えます。
目標の計算式は「Conjg(A-D)(C-F)」ですね。
電卓操作 OPTN |
表示画面 1 : 偏角 2 : 共役複素数 3 : 実部抽出 4 : 虚部抽出 |
電卓操作 2「共役複素数」 |
表示画面 Conjg( |
電卓操作 ALPHA (-)「A」 - ALPHA sin「D」 ) ( ALPHA x-1「C」 - ALPHA tan「F」 = |
表示画面 Conjg(A-D)(C-F 91.0208 |
電卓操作 ÷ 2 = |
表示画面 Ans÷2 45.5104 |
よって、(イ)の面積は107.73㎡となり上と同様の結果となりましたね。
先程よりも電卓操作はかなり少なくなり、あっという間に計算ができたかと思います。
四角形の面積を求める時はこのような方法で計算すると時間短縮につながりますので、必ずマスターしてくださいね。
ちなみに「Conjg(A-D)(C-F)÷2」の計算式を裏技と呼んでいますが、数学の知識がある方からすると裏技でもなんでもありません。
まとめ
複素数による面積計算
ABCDで囲まれた面積は
Step① : Conjg(A)B+Conjg(B)C+Conjg(C)D+Conjg(D)A=
Step② : (Step①の答え)÷2=
Step③ : (Step②の答え:〇+△i)の△が面積になる
特に求める面積が「四角形」の時
複素数による四角形の面積計算
四角形ABCDの面積
Step① : Conjg(A-C)(B-D)=
Step② : (Step①の答え)÷2=
Step③ : (Step②の答え:〇+△i)の△が面積になる
土地の面積計算(求積)は毎年必ず出題されます。
複素数計算では通常計算と比べ非常に早く正確に求めることができると実感していただいたと思います。
ぜひ練習を繰り返し試験に役立ててください。
複素数計算について、体系的に効率良くかつ、短期間でマスターしたい方はアガルートの 「[中山式]複素数計算」 がおすすめです。
コスパにも優れており、土地家屋調査士試験で必要な複素数計算を完璧にマスターできます。
アガルート公式サイト
-
土地家屋調査士試験に複素数計算は絶対に必要です【最新版】
こんにちは、はるです。 複素数計算は合格のために必須といっても過言ではありません。 合格者のほとんどが複素数計算を使っています。 私自身も複素数計算を使っていなかったら合格 ...
続きを見る
-
【土地家屋調査士試験】複素数計算で解く筆界点間距離(辺長)【関数電卓】
こんにちは、はるです。 今回は土地家屋調査士試験で毎年必ず出題される筆界点間距離(辺長)について、複素数計算による解き方を解説します。 最後まで読んでいただければ筆界点間距 ...
続きを見る